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ヨーロッパにおける先史時代の芸術は、洞窟の壁面に描かれた彫刻画あるいは絵画を特徴としています。先史時代の人類は、洞窟や洞穴の壁に自己表現の場を見出したのでしょうか。
先史時代の主要部分を占める旧石器時代(紀元前30 000~10 000年)。この時代の芸術は、西ヨーロッパを覆っていた広大なステップの存在を想起させます。人々はフリントや木、骨、動物の角、マンモスの牙などを使い、狩猟移動生活に必要な道具を作っていました。ドルドーニュDordogne 県の洞窟では、ネアンデルタール人(紀元前30 000~27 000年)による簡単な彫刻画が見つかっています。それに続く時代(紀元前17 000~13 000年)の動物を描いた貴重な壁画や「オーリニャック期(後期旧石器時代の代表的な文化相)のビーナス」と呼ばれる小さな女性像もドルドーニュ県で発見されています。
その後、ラスコーLascaux およびヴェゼール渓谷Vallee de la Vezereの洞窟内で、アルタミラAltamira(スペイン)で発見されたバイソン(野牛)に匹敵する、まさに傑作と呼べる壁画が発見されました。
さらに時代が下ったマドレーヌ期(後期旧石器時代最後の文化相で、紀元前11 000年頃)の人々は、横からみた動物たちの姿を図案化し、壁面の凹凸を利用することで生き生きとした躍動感を与えました。ドルドーニュ県レ・ゼジー・ド・タヤックLes Eyzies-de-Tayac にあるレ・コンバレルLes Combarelles やフォン・ド・ゴームFont-de-Gaumeの史跡には、新石器時代まで続くこの完成された芸術がはっきりと示されています。
1994年に見つかったアルデッシュArdeche 県のショーヴェ・ポン・ダルクChauvet-Pont-d'Arc洞窟に代表される近年の発見からは、美しさを存分に湛えた洞窟壁画の存在が明らかになりました。残念ながら「先史時代のシスティナ礼拝堂」とたとえられるこの壁画では保存が最優先課題となっており、ほかの多くの洞窟壁画と同様、実物の見学ができないのですが、展示物やビデオによってその様子が紹介されています。ヨーロッパにおける先史時代の芸術は、洞窟の壁面に描かれた彫刻画あるいは絵画を特徴としています。先史時代の人類は、洞窟や洞穴の壁に自己表現の場を見出したのでしょうか。
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