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2010-03「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンド 編集 コメント書込み(0)

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展示概要この節編集目次へ

(図)「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界

会期:2010年1月16日[土]―3月22日[月・祝]
会場:東京オペラシティアートギャラリー
開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日、2月14日[日](ビル全館休館日)
入場料:一般1,200円(1,000円)、大・高生1,000円(800円)、中・小生600円(400円)
*同時開催「収蔵品展032 わが山河 Part II」(4F ギャラリー3・4)、「project N 40 熊谷直人」展(4Fコリドール)の入場料を含みます。
*( )内は15名以上の団体料金
*その他割引(半額):閉館1時間前以降の入場、65歳以上、Arts友の会会員
*土・日および祝日は中学・小学生無料。
*障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
*割引の併用および払い戻しはできません。

主催:(財)東京オペラシティ文化財団
協賛:NTT都市開発(株)
特別協力:ブリティッシュ・カウンシル 協力: 平松産業(株)、(株)中村デザインスタジオ、(株)神戸製鋼所、神鋼商事(株)、DNライティング(株)、(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン
後援:(社)日本建築学会、(社)日本建築家協会、(社)日本建築士会連合会、(社)建築業協会、(社)日本建築構造技術者協会
助成:グレイトブリテン・ササカワ財団
制作協力:篠崎健一
照明協力:Lightdesign Inc.

展示デザイン:セシル・バルモンド

展示解説この節編集目次へ

セシル・バルモンドとはエンジニアリングの枠を越えて建築家と創造的な協働を行う構造デザイナーです。構造エンジニアと聞くと、建築家によってデザインされた建築を、力学や施工などの制約をふまえて物理的に成り立たせ、建物にじょうぶな骨組みを与えるための技術的なサポートをする縁の下の力持ちとしての役割がイメージされるでしょう。しかしバルモンドの仕事はそこにとどまりません。「丘の上に空飛ぶ絨毯のように家を飛ばしたい」「運動がみなぎる四角の箱をつくりたい」建築家から寄せられるこのようなリクエストに独特のアプローチで挑み、彼らの実験的な思考を実現に導くバルモンドには、世界中の建築家から期待と信頼が寄せられています。

スリランカに生まれ育ち、アフリカ、ヨーロッパで科学、数学、建築を学んだバルモンドは、イギリスの総合エンジニアリング会社アラップに加わり、以来レム・コールハース、伊東豊雄、アルヴァロ・シザを始めとする世界の名だたる建築家とともにさまざまなプロジェクトを手掛けてきました。バルモンドが生み出す新しい幾何学は、建築を従来の四角、三角、円を基本とした静的で閉じたものから解き放ち、複雑さをはらんだ動的で有機的なものへと飛躍させて現代建築の可能性を大きくひらきました。最新のコンピュータ技術と施工技術を駆使しながらも、バルモンドの思考の原点は私たちにとって身近なものにあります。太陽を求めて回転しながら成長する植物、枝分かれする葉脈、燃えさかる炎のゆらめき、刻々と変化する陽の光。自然のしくみに注目し、その豊かで美しい秩序を構造に採りいれるバルモンドは、建築に脈動、鼓動を与えて命を吹き込みます。

テクノロジーの粋を集めた現代的な建築でありながら、バルモンドがデザインする構造はその建築を訪れる人びとの奥底に眠る本能を呼び覚まし、感覚と知性を刺激します。自然の形を単に模倣するのではなく、その根源にある美しさを抽出して広がりを持った幾何学へと展開するバルモンドは、建築を既存の枠組みから解放する人としていま最も注目を集める存在です。

展示会構成この節編集目次へ

隠れたリズムを探せ

本展の会場には図面や模型がほとんどありません。「情報を読んで理解する」展覧会ではなく、「感覚を研ぎ澄ませて体で考える」展覧会にしたいというバルモンドは、会場の冒頭をたくさんの写真やドローイングで埋め尽くします。
身の回りの自然に向けられたバルモンドの目は、その表面の美しさだけでなくその内側に息づく秩序(オーダー、リズム)を探しだし、それを幾何学へと展開させていきます。たとえば、枝分かれをくり返す木の成長や、葉のすみずみまではりめぐらされた葉脈など、私たちのまわりの自然は単純なルールにもとづきながらおどろくほど豊かで複雑な姿を見せています。gallery 1では、「自然はもともとすばらしくデザインされている」というバルモンドの視点で自然のエレメントを体験し、その奥に隠された美しいリズムを探ります。

成長し続ける建築 しくみそのものをデザインする

建築にとって、構造とは建物全体を支える骨であり、地震などの衝撃を分散して逃がす筋肉のようなものです。従来の構造設計では、設計された建物の必要な部分に骨や筋肉をつけて建物に強度を与えることが目的です。しかしバルモンドの構造デザインは、こうした骨や筋肉のネットワーク自体にリズムを与えて建物全体に運動エネルギーのみなぎりを与え、動かないはずの建築に流動性、柔軟性をもたらそうとします。しかしどうやって? バルモンドはその答えを自然界に見出します。

自然界の植物や動物は遺伝子に組み込まれたリズムに従って、周囲の環境など外的な要因の影響も受けながらふたつと同じもののない形へと成長を続けます。バルモンドは建築も同じようにできないだろうか、と考えます。 水平・垂直の決まりきった柱や梁で構成された四角四面の建築ではなく、自然のように自ら育っていくような、複雑な要素や条件をおおらかに受けいれる豊かな建築ができないだろうか?

バルモンドは自然の中に隠れた秩序があることに注目し、建築構造に独自の秩序を与えることでこのような建築を可能にしました。バルモンドの仕事とは、ディテイルのデザインではなく、生きた建築を成り立たせるしくみそのもののデザインです。gallery 2では、空間にひろがる《H_edge》《Danzer》など大型の作品によって、バルモンドの考えるしくみを建築的なスケールで紹介し、建築に命を吹き込む手法を空間全体から体感していただきます。

建築家とのコラボレーション

世界の名だたる建築家に「協働したい」と言わしめるバルモンド。建築家のアイデアを実現させるだけでなく、建築家自身も気付かない建築家の可能性を引き出してプロジェクトを飛躍させる人物として高く評価されています。バルモンドが生み出す構造はそれ自体が建築のデザインとなることも多く、建築家と構造デザイナーが従来の境界を超えた次元でコラボレートする希有な例でもあります。
section 3では、建築家との創造的なコラボレーションを写真やドローイング、テキストで展示し、実際のプロジェクトにバルモンドの思想が表されている実例を紹介します。

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